地震による倒壊リスクを軽減させる屋根の軽量化について
大きな地震で家が崩れてしまった…今の時代いつ何が起こるか分かりません。「南海トラフ巨大地震」の発生確率は30年以内に「70%から80%」と予想されています。
今回は地震による倒壊リスクを軽減させる屋根材の軽量化について考えていきましょう
そもそも倒壊はなぜするのか?地震・暴風・積雪などで倒壊してしまう住宅の特徴を見ていきましょう
・築年数が古く旧耐震基準で建てられている
・シロアリなどの被害に遭っていて内部にダメージがある
・柱や壁の配置が悪く(耐力壁がない、壁量が少ないなど)バランスが悪く複雑な形状をしている
・建物に何らかの理由による傾きがある
・屋根が重たい
・玉石基礎(石積み基礎)で建てられた建物
などが挙げられます。
屋根が重たいのも倒壊する特徴に含まれています。そもそも屋根が重たいのがなぜ特徴に含まれるのかというところです。
地震の際建物にかかる力は「建物の重さ×地震の加速度」で計算でき、同様の揺れでも重たい建物ほど大きな力がかかるとされています。
瓦屋根を葺き替えて軽量化することが多いので屋根材別で1坪にかかる重量を見ていきましょう
和瓦(桟木施工)1枚約3Kg 1坪約53枚 1坪約159Kg
平板瓦1枚約3.6Kg 1坪約40枚 1坪約144Kg
スレート瓦(コロニアル)1枚約3.4Kg 1坪約20枚 1坪約68Kg
アスファルトシングル 1枚1.7Kg 1坪23枚 1坪約39.1Kg
ガルバリウム鋼板ヒランビー 1坪約15.8Kg
ガルバリウム鋼板スタンビー(立葺き) 1坪約15Kg
ガルバリウム鋼板横暖ルーフs 1坪約9.6Kg
これだけ1坪に対しての重量が違うんですね。和瓦に関しては土葺きだとさらに重量がかかります。一般的に30坪前後の屋根が多いので30坪で計算してみましょう。
和瓦 30坪約4.77t
平板瓦 30坪約4.32t
スレート瓦 30坪約2.04t
アスファルトシングル 30坪1.17t
ガルバリウム鋼板ヒランビー 30坪0.47t
ガルバリウム鋼板スタンビー 30坪約0.45t
ガルバリウム鋼板横暖ルーフs 30坪約0.28t
坪数が大きくなるほど屋根に使用する屋根材が多くなりますのでその分重量も増えていきます。
重量がかかると建物の重心が高くなり振り子現象で揺れが大きくなります。揺れが大きくなると目に見えるところでは屋根材がズレてしまったり棟が崩れてしまったり外壁にヒビが入ってしまったりします。
最近では耐震対策として屋根の葺き替えをご希望されるお客様も増えてきました。最近ではネットで何でも調べられる時代ですが気を付けなくてはいけないのは絶対に軽くないとダメなのか?ということです。
屋根が軽い方が地震の際に倒壊リスクが軽減するのは事実ですが軽くなくてはダメということではありません。
訪問業者に「この屋根材は重いから地震で崩れてしまうのでこの屋根材に葺き替えた方がいいですよ」といわれたのですが…というお問い合わせを受けたこともありますがそれは間違いです。そんな事を言われたら不安になってしまいますよね?
家を建てる際に屋根重量を考慮した構造計算がされていますので耐震強度に問題はありません。ただ軽量の方が倒壊しにくいというだけです。
正しい知識で必要なリフォームを必要な時期にするのがメンテナンスコストを抑えるためには必要です。
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2024年8月26日 投稿者:小口