カバー工法における改質アスファルトルーフィング材の下葺き施工について

既存の屋根材を撤去せずに新しい屋根材をかぶせる「カバー工法（重ね葺き工法）」は、コストを抑えながら住まいの防水性能や耐久性を向上させるリフォーム手法として広く採用されています。この工法で重要な役割を果たすのが「下葺き材（ルーフィング）」です。

今回は、カバー工法における改質アスファルトルーフィング材を使用した下葺き施工について解説します。

改質アスファルトルーフィング材とは？

改質アスファルトルーフィング材とは、通常のアスファルトに合成樹脂やゴムなどを加えて耐久性・柔軟性を向上させた高性能な防水シートです。代表的な製品には「タディスセルフ」「PカラーEX+」「カッパ23」などがあります。

まずは既存屋根材（主にスレートや金属屋根など）に破損や浮きがないかを確認し、必要があれば簡易補修を行います。下地に腐食や劣化があれば、部分的な補強も行います。

・屋根面を清掃して、ホコリや異物を除去。
・軒先から棟方向に向かってルーフィングを張っていきます。

・重ね幅は100mm以上を基本とし、水の逆流を防ぐように注意します。
・タッカーや粘着層付きタイプを使用する場合は、施工説明書に従って確実に固定します。
・谷部・棟部・壁際などの取り合い部分には、特に防水処理を丁寧に行います。

・雨押え部分や外壁との取り合いには、捨て水切りを併用することで防水性能を強化します。

カバー工法において、下葺き材の選定と施工は屋根全体の耐久性・防水性を左右する非常に重要な工程です。とくに改質アスファルトルーフィング材は、高性能で信頼性の高い防水材として多くの現場で採用されています。

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2025年5月31日　投稿者：小口