屋根材、ニチハ「パミール」の不具合について
■ニチハ パミールとは
パミールは1996年から2008年にニチハさんで販売された、化粧スレート系無石綿屋根材です。販売当初は、屋根材にアスベストが入ってない画期的な商品でした。
アスベストは粘着性が高く、建材の強度を確保するにはとても優れた建材だったのですが、その当時、屋根材にアスベストの使用が法律で禁止された時期でもあります。なので、当時はアスベストが入ってない、化粧スレートということで、大手ハウスメーカーさん、数多くの工務店さんが採用した屋根材です。
■パミールの劣化症状
化粧スレートであるパミール材の主な不具合は層間剥離です。
写真を見てください。表面が剥がれかけたり、そりあがったりして、波をうっているみたいな状態になっています。また、剥がれは屋根全体に見られます。
表面が剥離してしまうために、塗装工事をしても、意味のないことになってしまいます。(塗装は建材を守るのが目的なので、建材自体が脆ければ守りようがないからです)
層間剥離の原因の一つは、製造方法だといわれています。同じ化粧スレートのカラーベスト、コロニアルは乾式製法、パミールは湿式製法です。この湿式製法とは和紙を造るように紙すきの製法で数層に重ねて上げて成形し、そのあとにプレス成型されます。そのときの層がパミールの劣化症状のように層状に剥がれてしまうことになるのです。
もう一つの原因はパミールはアスベストの代わりにパルプ繊維等を使用したためです。パルプ繊維は軽量、踏み割れ防止には効果があるのですが、水分を吸いやすい特徴があります。
パミールには層間剥離の他に、パミール屋根材付属釘の劣化もあります。
耐食性表面処理(ラスパート処理)のメッキ層と正常にメッキ処理がなされた釘と比べ、経年劣化に伴う腐食の進行が早まる可能性があり、屋根材のズレ、落下などが生じる可能性があります。
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