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アスファルトシングル材にガルバリウム鋼板である横暖ルーフsをカバー工法した現場です。きっかけは、アスファルトシングル屋根の修理依頼をいただいた事です。強風の日に屋根材が落ちてきたというご連絡でした。すぐに現場へ向かい、点検・調査致しました。アスファルトシングル材は北欧生まれの屋根材で、本場では80%近くのシェアを誇ります。軽量で安価という特長があり、シート上で施工性も良く、DIYなどでもよく使われる屋根材です。ただし事実として、風で剝離してしまったというご相談をいただくことも度々あります。シングル材はビスとセメントで固定されていますが、施工不良や経年劣化による固定力の低下が原因といったところでしょうか。
A様のお宅でも、アスファルトシングル材の一部が剥がれていましたが、事故にならなかったのは幸いです。全体的な剥がれではなく、シングル材の重なり部分は残っていましたので、すぐに雨漏りしてしまうような状態ではありません。しかし放置すればやがては雨漏り修理も必要になってしまいますので、今のうちに対処する必要があります。
軽微な剥がれであれば、セメントを塗布して貼りつけることができます。あるいは、タッカーという、大きなホチキスのような道具で留めることも可能です。しかし、いずれの場合も応急処置程度に考えてください。築年数が浅い場合では施工不良も考えられますが、年数がそれなり経っている場合では、経年劣化が原因だと考えられます。今後のメンテナンスや防水上の問題を考えると、根本的な解決が必要です。
地上からの目視では正常に見えても、近くで見たり触ったりすると異常がみつかる場合もございます。これら全てを踏まえたうえでカバー工法をオススメし、納得いただいたので工事を任せてもらう事となりました。
それでは着工日です。着工日は仮設足場の組立から始まります。足場があるのとないのでは安全性はもちろんですが、作業の効率も変わってきます。特に今回のように大きな屋根工事では材料の上げ下げにハシゴをかけるので足場は欠かせないものになってきます。
このように足場にハシゴを掛けます。
ある程度段取りを終えたら、まず行うのは既存棟板金の撤去です。カバー工法といっても、棟板金や雪止め金具は新しい物に交換するので撤去しなくてはなりません。
棟板金を外したらその下に下地があるので、下地の貫板も撤去していきます。
その後、下葺きの工程にはいります。下葺きとは、防水シートであるルーフィングを貼る作業の事をいいます。屋根材も、その下のルーフィングも、既存の物があるのでルーフィングを新たに貼らなくても出来るは出来るんですが、基本的には屋根材本体の下にはルーフィングというのが付き物です。使用したルーフィングはゴムアスと呼ばれる改質アスファルトルーフィングです。高温でダレにくく、低温で割れにくい下葺き材です。
多くの屋根やさんは、屋根の平らな面を平(ヒラ)や平場と呼びます。平場の下葺きは最低 縦200㎜~・横300㎜~ 以上の重ねをとるのに対し、棟や谷、下屋が絡む雨押え部は2重 又は 3重に重ねて下葺き材を施工します。
屋根全面に下葺きが終わったら、下葺き材の上に「墨出し」を行います。屋根の構造というのは
・屋根本体
↓
・下葺き材
↓
・野地板
↓
・垂木
という風になっていて、一番下の垂木に対して屋根本体を固定していくので、予め垂木の打ってある寸法通りに墨を出しておかないといけないのです。カバー工法なら既存の屋根材や野地板があるし、どこで固定しても同じと思われがちですが、それではガッチリ固定出来ないですし、とても良い工事とは言えません。その分、手間がかかりますが墨出しまで丁寧に行ってこそ良い工事と呼べるでしょう。
次に「唐草」板金の取り付けです。インパクトドライバーを使い、ビスでしっかり固定していきます。唐草は軒先唐草とも呼ぶので、唐草と言われたら軒先の事だと思ってもらって大丈夫です。
同時に「ケラバ」板金も取り付けていきます。ケラバというのは、唐草ではない所を指しますが、つまり簡単に言うと、雨樋が付いている所が唐草=軒先になり、雨樋が付いていない所をケラバと呼びます。
一番唐草側の出隅になってる所は、ケラバ板金をこのように加工します。この加工したケラバ板金の事を「重箱」と呼びます。重箱がどんな役割をしているかというと、ケラバから流れて来た雨水を重箱が一旦受け止め、効率良く雨樋(軒樋)に受け流すという役目を持っています。ただ四角に曲げただけではなく、複雑な造りをしているので、素人が簡単に造れる物ではありません。板金加工は㎜単位の作業ですし、何より加工前の墨出しがとっても重要です。ここを曲げて~ここからここまで切って~ここの寸法は何㎜で~って、全てを把握してないと出来る代物ではないので、とても難しいです。
役物の取り付けが終わり、平葺きにはいります。横暖ルーフsとは、ガルバリウム鋼板の一種で、いわゆる金属屋根材です。裏面に断熱材が入っているので、カバー工法で使えば断熱性が超アップしますし、遮音性も上がります。そもそも、ガルバリウム鋼板自体がかなりの耐久性を持ってるので一度、横暖ルーフsに限らずガルバリウム鋼板をカバーしちゃえば、この先長い目で見た時に安心して暮らせますし、何よりコスパが良いです。軽くて丈夫なので本当にオススメの材料となってます。
トップライト(天窓)廻りの取り合いは後で板金を入れるので、このように横暖ルーフsをL字に曲げ、少し立ち上げておきます。
横暖ルーフsの葺き方は、一枚一枚が噛み合わさるようになってるので、爪を引っ掛けるようにし、予め出しておいた垂木の墨のところにビスを打ち固定します。垂木が455㎜ピッチなのでビス留めも自然と455㎜ピッチになります。
片面ですが、平葺きが終わるとこんな感じになります。横暖ルーフsの色は「ブラック」・「グリーン」・「ブラウン」の3色あり、グリーンで仕上げてるので明るい屋根になります。
大棟は最後に棟包板金を被せるので、ここで止めておきます。
こちらドーマー廻りです。ドーマーとは、屋根に小さな空間を作り取り付ける窓の事をいいます。この後、下地に貫板を打ち、雨押え板金を取り付け、天端にコーキングを充填して雨水の侵入を防ぐので、一旦この形で保留しておきます。屋根本体から窓枠までの距離が近いので施工しにくいですが、こんな時こそプロの腕の見せ所ですね。
ドーマーの側面も同様に行うので、とりあえずこのまま保留しておくんですが、本体を少し長めにカットしておき、壁際を30㎜程立ち上げておきます。こうする事で雨の侵入を絶対に許しません。
ドーマーの水上側には本谷が絡んでいて、少し複雑な形をしています。本谷板金にビスを打つと穴を空け、水を中に入れてしまう事になるので、両端にビスを打ち、挟み込むようにし固定します。
その後、本谷の墨が打ってあるところまで屋根材を被せ、平場を葺き終えたら大棟の施工になります。
下地に貫板を使い、棟芯からの寸法通りに、両サイドに打っていきます。
そこへ棟板金を被せ貫板に固定していきます。ジョイント部にはコーキングを打ち補強します。施工はほぼこれで完成になりますので、残りはトップライトとドーマー廻りの細かな板金の取り付けになります。
トップライトの枠ごと囲うように板金を取り付けました。トップライトは雨漏りする原因の多いヶ所でもあるので、十分に気を付けて丁寧に施工しないと、後々大惨事になる可能性があるので、いくらカバー工法とはいえ㎜単位にまでこだわって取り付けます。
屋根西面はこれにて工事完了になります。切妻屋根なので残すとこ東面だけです。
建物がログハウスと呼ばれるものなんですが、ログハウスにはトップライトとドーマーがセットで付いてる事が多いです。ドーマーの取り合いには貫板を打ち、そこに雨押え板金を被せて取り付けます。天端には横暖ルーフsと色を合わせたグリーンのコーキングを充填し見栄えも気にしながら雨水の侵入を防いでいます。ドーマー廻りだけでなく、壁と屋根が競ってる部分には、基本的に雨押えを取り付けます。
縦幅が狭く取り付けにくかったですが、これにて東面も完了になります。
という事で!アスファルトシングルから金属屋根材のガルバリウム鋼板、そのガルバリウム鋼板の種類の一つである横暖ルーフsに無事カバー工法を終える事ができました。綺麗になって、お客さんの不安も解消され、良い工事が出来て良かったです。この後は10年の保証を付けてるので、長い間アフターメンテナンスでもお世話になります。
工事のきっかけ
強風により屋根材が剥がれ落ち、違う業者に応急処置してもらっていたが、再び剥がれてしまったため、当社でカバー工法をご提案致しました。