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群馬県高崎市のお客様から外装リフォームのご依頼をいただきました。屋根カバー工法 ・ 外壁塗装 ・ 雨樋交換 ・ 波板交換 ・ テラス床張り替え 工事を行います。
着工しましたら、まずは仮設足場の組立作業から初めています。
屋根が急勾配なので屋根にも足場を組み、作業出来るようにします。そのような足場の事を屋根足場と言います(そのまんまですが・・・笑)
お家をぐるっと囲むように足場が組み終わったら養生シートを張ります。外壁塗装がある時は、塗装前に高圧洗浄を行うので、養生シートを張ることで水しぶきが周りに飛散しないようにします。最後に弊社の看板を掲げさせてもらい仮設足場の組立は完成です。
翌日には高圧洗浄作業を行います。これまで溜まった汚れやチョーキングを綺麗に洗い流さないと、この後塗る塗料がしっかり密着せず剥離を引き起こす原因になってしまいます。
屋根はカバーするので本来洗浄しなくてもいいのですが、急勾配という事もあり、ついでなので軽く洗浄しておきました。急勾配でありながらスレート屋根でめちゃくちゃ滑るので足元には十分に注意して安全第一で作業します。
ちなみにこれがプロの使う高圧洗浄機です。ガソリンエンジンで水圧が物凄く強くて、慣れてないと水を噴射する時に反動で仰け反るくらいです。大事なお家を長く持たせる為にも綺麗に洗浄していきます。
次に日から屋根工事を着工致します。まずは既存役物の撤去です。通常であれば棟板金ぐらいなのですが、今回のお家は難しい形をしてるので壁との取り合い部や、勾配の段違いになってる部分の役物も取り外していきます。ハンマー等で釘を抜き
板金を撤去していきます。板金の下には木下地の貫板があるので、そちらも取り外します。
このように勾配が途中で変わってるところの役物は非常に取りにくいので、板金鋏で細かく切り込みを入れ、少しずつ解体していきます。
写真で見ても凄い急勾配なのが伝わるかと思いますが、実際にここで作業するというのはかなりの労力を強いられます。雨が降った日には立ってられないくらいですし、雨の中工事するのもよろしくないので、雨天は中止させていただいております。
既存役物の撤去中、同時進行で軒先から新設役物の取り付けを行っていきます。軒先から唐草板金を取り巻き
防水シートを張っていきます。既存屋根材がコロニアルの場合の下葺きは、コロニアルが固くてタッカーだと固定が出来ないので釘で留めます。ただ釘を打つだけだと下葺き材に穴が空き貫通しちゃうので、板金の切れ端を下葺き材の上に敷き、その上から釘打ち機を使って固定していき、これに加え急勾配なので下葺きにも時間がかかりますが、焦っても良い工事は出来ないので丁寧に施工したいと思います。
唐草にも被せて下葺きし
最低でも縦100㎜横300㎜以上の重なりをとって張ります。
使用しているのは改質アスファルトルーフィングのカッパ23という下葺き材で、ゴムアスファルトルーフィングと呼ぶ事も多く、略してゴムアスと言います。業者によっては防水紙・ゴムアスルーフィング・改質アスファルトと呼んだりもします。そもそも下葺き材とは、屋根本体(屋根仕上げ材)の下に敷く防水シートのことで、その防水シートを一括りにルーフィングと言います。
下葺きが終わったら屋根本体を施工します。軒先から一枚ずつ張っていき、躯体の真上には雪止め金具を455㎜ピッチの二段で千鳥配置で取り付けます。
軒出の下には何にも支えが無く、常に重力の負荷がかかっていて、そこへ雪が積もり更なる重みが加われば軒出ごと持っていかれる可能性があるため、雪止めを躯体の真上に取り付けるようすれば、そこから先は雪が積もったとしても徐々に落ちていってくれるので軒出が曲がる心配がありません。
使用している屋根材は、ガルバリウム鋼板の横暖ルーフs(グリーン)です。ガルバリウム鋼板とは、1972年にアメリカの方が開発した、アルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板の名称で、日本だとガルバと略されることが多く、ガリバリウムやガルバニウムと呼ばれることもあります。(※日本工業規格ではJIS G3321で規定されています)
そんなガルバリウム鋼板ですが、一概にガルバリウム鋼板と言っても様々な種類があります。横暖ルーフsは、遮熱鋼板と断熱材の一体成型で、抜群の耐久性能と遮熱性能を発揮する、超高耐久横暖ルーフシリーズのスタンダードモデルです。カバー工法でガルバリウム鋼板を張る時は、普通のビスではなくダンバビスという先端がドリル刃になっているビスを使います。鉄製で出来ていて、1.6㎜~3.2㎜厚の鉄板やデッキプレートに使用でき、軽い推力で楽に締結できます。ダンバビスは、普通のビスに比べて値段も高いのでガッチリ固定することが出来ます。
こうした幅の狭い所も、ガルバリウム鋼板を寸法通りにカットしダンバビスで留めていきます。
屋根勾配が3ヶ所にそれぞれ別れていてドーマーのように途中から壁が立ち上がってる部分があり、複雑な造りをしているのでケラバや雨押えの板金加工がとても難しいです。雨仕舞を悪くしないように丁寧に施工します。
屋根に関わる板金には色んな部位、種類、形状があり、大まかなところで言うとケラバにはケラバ板金、軒先には軒先唐草板金などを使いますが、屋根面と外壁面の競ってるところには雨押え板金という物を取り付けます。(ちなみに、ケラバ板金には逆ケラバといって、捨て谷板金のような扱いをする物もあります。そして、全てを板金と言っていますが、本体と同じガルバリウム鋼板で出来ています。)
こうした外壁・軒天井・ケラバが同時に絡んでくるようなところは、急激に板金の加工レベルがアップします。カバー工法をしてるので、ここから雨漏りするような事はありませんが、雨仕舞が悪いと今後何があるか分かりませんし、カバー工法の際は10年保証も付けているので、㎜単位で隙間なく取り付けます。
4ヶ所ほど既存のケラバ板金を生かした施工をした場所があり、どうしても少しの段差と隙間が空いてしまうので、テープを貼って養生し
コーキングを打ちます。
これまで屋根の改修工事で何件もカバー工法をしてきましたが、珍しい屋根の形をしていてここまでくるのに中々時間がかかりましたが、いよいよ終盤です。
屋根の勾配が途中で変わっているので、寸法を測りチョークラインで墨を出しガルバリウム鋼板を勾配也に加工し張っていきます。今回の現場はこうした加工や切断がとても多いので、大変施工難易度が非常に高い現場でしたが
それも残すとこ棟板金の取り付けになってきました。
棟には棟包み板金という部材を取り付けるので、北面・南面の両方に下地となる貫板を張ります。この下地材に樹脂製の物を使う事もありますが、今回は貫板での施工です。ただし、ノーマルな貫板ではなく、貫板は木製なので腐らないように防腐剤が注入してある物を使っています。若干ピンクがかってるのはそのせいです。
屋根と外壁がくっ付いてる所は雨押え板金という部材を取り付けるので、屋根面に対して貫板を張り付けます。
先程の貫板に棟板金を被せ固定していきます。板金のジョイント部(重なり部)にはコーキングを打ち密着性を高め、隙間への雨水の侵入を防いでいます。
全て取り付け終えると、このような仕上がりになります。屋根のほうは終わりが見えてきました。
雨押え板金も、棟板金と同じ要領で取り付け、カバー工法は完了になりますので、次は外壁の方に移ります。
既存の外壁材が窯業系サイディングボードとモルタル部分に別れてるのですが、窯業系サイディングボードの壁と壁の間の目地(めじ)と言われる部分には ‶コーキング″ というゴムみたいにクッション性のあるものが打たれてあります。写真を見てもらうと分かる通り、コーキングは劣化してくるとクラック(ひび)が入ったり肉痩せといってコーキング自体が痩せ細り隙間が空いたりします。せっかく外壁を綺麗にリフォームしても、コーキングの劣化により外壁材に影響を与えてしまうので、目地は打ち替えてあげて、サッシ廻りは増し打ちで厚みを付けてあげます。
まずは、カッターナイフで外壁側面に沿って切れ目を入れ既存のコーキングを撤去していきます。撤去すると、通常はこのように後ろにジョイナーやバックアップ材という建材が入っているのですが・・・
今回の現場は、コーナーにだけそれが入っていなかったのです。切り取ってしまった部分はしょうがないですが、ジョイナーがないとコーキングがどこまでも中に入っていってしまうので、施主様に状況を説明し、目地ではあるもののコーナーに関してはサッシ廻りと同様に増し打ちでやらせていただく事になりました。
既存撤去後、マスキングテープを貼って養生し、密着性を高め長持ちさせる為に目地部分は外壁側面に、サッシ廻りは既存のコーキング上にプライマーを塗布します。
プライマー塗布後、新しいコーキング材をガンで充填していきます。使用したのはペンギンシールの2570Type1-NDという材料です。窯業系サイディングボードに最適な応力緩和1成分形変成シリコーンとなってます。
充填後、コーキング専用のヘラで綺麗に均し、マスキングテープを剥がせば打ち替えと増し打ち工事は完了になります。ちなみに、入隅も増し打ちしてあります。
次にやる作業は養生です。塗装工事においての養生とは・・・塗料が付いてはいけない箇所をビニール等で保護する作業の事です。
場所によっては真っ直ぐ養生しないと仕上がりに関わってくる箇所があるので、ただ単に塞げばいい。という訳ではありません。
養生を終えたら付帯部の一つである軒天井を塗っていきます。入隅やローラーで塗り切れないような狭い所は先に刷毛で拾い塗り残しがないようにします。
その後にローラーで幅広く塗装していきます。
軒天井にはケンエースという塗料を使用しました。染みを止める効果があり付着性・汚染除去性・防藻、防カビ性に優れています。
次に外壁の下塗りなんですが二階がモルタルで一階がサイディングと外壁材が上下で分かれてるのでそれぞれに合わせた適切な塗料を使い分けしています。
モルタル部分にはひび割れ追従性の高いパーフェクトフィラーを使用しました。
サイディング部分にはパーフェクトサーフを使用しました。窯業系サイディングボード改修用の下塗り材でヘヤクラックへの追従性があります。それぞれの外壁材に合った適正な塗料を使う事で長持ちに繋がります。
次にファインウレタンU100を使って一回目の破風板塗装をしていきます。ファインウレタンU100は、セメント素地(コンクリート・モルタル)、金属(鉄・亜鉛メッキ・ステンレス・アルミ)等の幅広い下地に適用できる塗料で、淡彩~濃彩色までありカラーバリエーションも豊富で、低汚染性・防藻性・防カビ性・浸透性を特徴とした高耐久性塗料となってます。ウレタン樹脂なので付帯部へのくっ付きが良く破風板の塗装には最適です。やはりローラーで塗装するのが一番作業効率が良いのですが、写真のように幅の狭い所は刷毛を使って丁寧に塗り込んでいきます。屋根に面してるため屋根への養生も忘れないようにします。
破風板の天端を刷毛で塗り終えたら側面をローラーで塗装していきます。破風板などの付帯部は傷んでると塗料を吸い込み過ぎちゃって、一回塗りでは間に合わない事が多いので、基本的には二回塗りで行っております。時と場合により塗り回数は変わってきます。外壁塗装や外壁張り替え工事の際の付帯部は、一回の足場で済ませる為に一緒に塗装をするか板金を巻く事がほとんどです。付帯部だけ残しちゃってそこだけの為に後でまた足場を組むのは勿体無いので、一緒に塗装なりカバーなり手をかけておく事がオススメです。
一回目の破風板塗装が終わりました。見た目こそ綺麗ですが、これでは塗膜が薄く長持ちしないので、翌日に二回目の上塗りをかけて破風板の塗装は完了になります。稀ですが、逆に付帯部だけの塗装工事というのをご依頼いただく事もありますが、やはり、それだけの為に足場を組むという勿体無さと、付帯部だけが綺麗になると塗ってない部分が逆に目立つようになってしまうので、同時に塗装する事を強くオススメします。
次に軒樋の取り付けです。屋根施工中に既存雨樋の撤去は済ませてあります。外壁塗装がまだ終わってなく、養生の関係で竪樋と這樋の取り付けだけは後日になるので、軒樋と集水器まで付けておきます。まずは、軒樋を固定する為の樋受け金具を破風板に取り付けます。
破風板に墨を出しインパクトドライバーでビス留めします。
一つの樋受け金具に対して2つビスを打ちます。
今回の現場は、破風板が垂直ではなく勾配の付いている勾配破風なので、勾配破風対応の樋受け金具を使用しています。
樋受け金具の取り付けが終わったら、そこに軒樋を通し集水器まで付けておきます。
軒樋のジョイントには継手という部材を使い、雨樋用の接着剤で更に固定しています。この軒継手は、外側から被せるのと内側からはめ込む2重になってるので漏水防止に優れています。
これにて一通り軒樋は取り付け終わったので、後は塗装が完了してからの施工になります。今回使用した雨樋はシビルスケアPC50というパナソニックさんの雨樋です。色はミルクホワイトを使用しましたが、全部で6色あるので好きな色に変える事ができます。
下塗りまで終えてるので、外壁の中塗りと上塗りに移ります。【ファインフッソ】(日本ペイント塗料)での【外壁塗装】です。まずは、ローラーが入らないような狭い箇所を刷毛で塗り込んでいき
その後にローラーでコロコロと塗装していきます。職人の間では塗料の事をネタと呼ぶ事が多いんですが、ネタを均等に配って厚みも均一に塗らないと仕上がりにムラが出て台無しになってしまいます。ただ塗ればいいようなイメージがあるかもしれませんが、実は塗り方にも様々あり、技術がないと難しいのです。下塗りも中塗りも、上塗りだと思い丁寧に塗装します。
特に、今回使ったファインフッソのような【弱溶剤】塗料は【水性】塗料と違うので慣れてないと刷毛での塗り込みが大変です。ただ【フッ素】塗料は艶の出が良く耐用年数も約15~20年と長いので外壁塗装にはオススメの塗料となってますが、ネックは材料費です。持ちが良ければどうしてもその分、金額も上がります。例えば【シリコン】と比べると10万円ほど差が開く事も多々ありますので、お客さんのニーズに合った塗料を選んでください。
中塗りが終わり、壁が乾いたら上塗りにはいります。これで計、下塗り・中塗り・上塗りの三回塗りで外壁の塗装は完了になります。
壁の塗装が終わり、養生の絡みも無くなったので、残っていた竪樋と這樋の取り付けに掛かります。軒樋と集水器までは付けてあるので、これ自体は半日で終わる作業になります。這樋というのは、上屋の軒樋から流れてきた雨水が集水器に集まり竪樋へと流れ、下屋の軒樋までの間に屋根面に沿って取り付ける雨樋の部材の事を言います。上屋の集水器からエルボで竪樋を一度壁側に沿わせ、竪樋が屋根面に接する所でまたエルボで這樋を繋ぎ合わせ、下屋の軒樋へと落とし込みます。エルボというのは、ジョイント部に使用する部材で、同じ径は勿論の事、径の違う雨樋を接続する事もでき、雨樋の軸を曲げる事もできます。
使用してるのは軒樋などと同じPanasonic製で、竪樋などに関してはS30という雨樋で、表面は高耐候性特殊樹脂、内面は硬質塩化ビニル樹脂で構成されている高耐久性の雨樋です。色は軒樋と同じミルクホワイトで、無難に落ち着きのある色合いですが、他にも黒系や茶系と全部で7色あるのでカラーバリエーションも豊富です。下屋の軒樋から集水器に集まり、竪樋を通って流れてきた雨水は最後に集水桝へと排出され、上手く循環するようになっています。お家にとって雨樋はとても大事な役割を果たしています。どこか一つでも部材が欠ければ、循環機能が失われ、雨降る度にバシャバシャと溢れ出てきます。壁や基礎、庭を守る為にも雨樋は必要不可欠なのです。
とうとう外壁の最終工程です。こちら霧除け(庇)といって、良く出窓や勝手口の天端にある付帯部です。見落としがちな物ですが、しっかり壁の色と合わせて塗っておく事で統一感が出て見栄えが良くなります。
同様に土台水切りも塗っていきます。水切りは黒で塗る事が多いですが、既存が白だったので外壁と同じ色で仕上げました。これにて塗装工事は全て完了になります。残すとこなく、塗れる所は全部塗り、綺麗になって良かったです。
次に波板交換です。既存の色は、少しくすんだ明かり止めの入ったような白だったのですが、透明感のあるクリアなブラウンに張り替えました。剥がした際に、波板があって塗れなかった軒天井も塗っておいたので、外装は完全に全部綺麗になってます。
こちらで本当に最後の工程になります。テラスの床の張り替えです。まず、下地を傷めないように既存の床材を剥がし撤去します。
そこへ新しい床材を張ります。使用したのは、お客さんご自身で選んだ東洋テックス高級人口銘木フロア桜AA2です。落ち着きのある色合いで、日差しが差し込み暖かさが増し、かなり美しい仕上がりになりました。
これにて全ての作業が終了致しました。雨が降ったり、思ったより作業に手こずり時間がかかったりと、工期が予定より少し遅れてしまいましたが、毎日毎日丁寧にやってくれて凄い満足と、おっしゃってくれて嬉しかったです。これからは工事して終わりではなく、アフターメンテナンスで長いお付き合いになるので、また何かあった時は声を掛けて欲しいですね。綺麗になって喜んでくれて良かったです。とても良い現場でした。
工事のきっかけ
お問い合わせいただき、数社での相見積もりでしたが、総合的に気に入ってもらい弊社に任せていただく事となりました。