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群馬県太田市にてカバー工法を用いて外壁の修理工事です。なにやら、他業者で電気工事をしたところ、外壁に不要な穴を開けられてしまったらしく、現在は簡易的な補修がされているということでした。まずは現状を正確に把握するために現場調査をしに行きました。
こちらが問題の箇所です。アクリル板を張ってありますが、その裏には板より一回り小さいくらいの穴が開いています。縦50cm、横90cmくらいの穴です。正直いって想像以上でした。幸い、柱や筋交いといった構造材は無事でしたが、コーキング材で補修するには大きすぎる穴です。
ビスで固定して、周りにシーリング材をうって防水処理してあります。短期的には問題ないかもしれませんが、お客様も、まさかこのままにはできないということでしたので、修理方法を考えます。とはいえ、こうなってしまうと修理というより交換(張り替え)が必要です。
しかし、こちらの外壁は積水ハウス社の金属サイディングで、下地の骨組みと外壁が一体型になっていて、それを組み立てるだけの仕様となっていて張り替えるとなるとこの一面を一度解体する必要がでてしまいます。また、30年前の外壁ということもあって、とっくに廃版になっていますから、同じ物を用意するのは難しいです。そこで、部分的な重ね張り(カバー工法)での修繕をご提案しました。これならば工事もそれほど大掛かりになりませんし、なにより今後の耐久性を確保することができます。もちろん“よく似た”外壁材にはなってしまいますが、塗装なども合わせれば限りなく既存外壁に近づけることができると思います。また、縁が少し段差になりますので、見切り材をつけて、できるだけ自然な仕上がりを目指します。お客様にはそちらの案で納得していただけましたので、お見積りも含めた詳細な打ち合わせののち、後日修理に取り掛かります。
施工日です。まずは、アクリル板を剥がしコーキングをカッターナイフで切り取り撤去していきます。この時、外壁を傷付けないように慎重に行います。
これが撤去したアクリル板です。アクリル板は薄くてペラペラなので、これでは施主様が不安がるのも無理はありません。
綺麗にコーキングを撤去出来たら、外壁材の規格は決まっています。その大きさに沿って墨を出します。予めこのように墨を打っておく事で次からの施工がよりスムーズに行えます。
次に寸法を測ります。数㎜ズレると収まりが悪くなってしまうので細かい作業になります。
採寸通りにこれから張るサイディングボードをカットします。横・縦のサイズと、下端から色んなホースが出ていたので、ちょっとした加工が必要になります。これには技術がないと間違って切ってしまい外壁材を無駄にしてしまう可能性があるので注意して行います。
上手く加工ができたらサイディングボードを外壁に合わせ張っていくんですが、ここでもプロの技が光ります。既存の外壁と建物の構造、下地の状態を考え、ただ固定するのではなく、先にキリで穴を揉んでおくんです。
このように先に細い穴を空けとく事で下地に対してサイディングボードとビスが上手く噛み合うんです。
そこへ更に、通常のビットでもう少し気持ち大きめの穴を揉んでおく事でビスの効きを良くします。
穴自体はこのぐらいの大きさになります。サイディングボードだけでなく下地も一緒に穴を空けてありますが、寧ろこうしないとビスが下地に対して効かないんです。
ここまでしてやっとビスの一本が打てます。ちょっとした細かな工夫に職人の技量が出ますね。
おかげでしっかりビスが効きました。
一枚目の下段が張り終わったところです。これから二枚目の上段を張っていきます。
張ろうと思ったらまさかの、真ん中が沈み過ぎてしまいビスがちゃんと効かずユラユラしてしまうので急遽、下地調整をする事にしました。まず真ん中近辺の外壁を桟木が入る程度に小さく切り取ります。
そして中の発泡スチロールもカッターナイフで切り取り空洞を作ります。そこへ穴の幅に合わせた桟木を噛ませサイディングの下地として使います。
あとは一枚目と同様にキリで穴を揉み、ビットで穴を広げ、ビスで固定します。一枚目との横ツラが綺麗になるように留めます。カバー工法なので、これだけでは既存の外壁よりフケて少し段差が付いてしまうので見切り板金をコの字で囲むように取り付けます。
寸法を測り、それ通りに見切り板金をカットし新しく張ったサイディングと既存外壁のジョイント部分の隙間に入れていきます。
出隅の角っこは、経験がないとできないY字とT字を混ぜたような加工をし、上から下に折り曲げ対角線に見切りがいくようにし綺麗に収まるようにしてあります。見切りを付けるのと付けないのでは全然変わってくるので、外壁工事の際は見切り板金を必ず取り付けましょう。
こちらは、元からあった外配線なんですが、このままブラブラさせたままでは見栄えが悪いので外壁材を張った時と同じやり方で配線をビス留めしてあげます。
留めるとこのようになります。ブラブラさせとくよりはマシですね。
下端の配線が通ってる加工口の穴も埋めてあげます。しっかり隙間は埋めておかないと雨水が侵入し外壁材だけでなく、躯体も傷めてしまう危険性があります。
次に、更に細かい事ですが外壁材に打ったビスの頭も埋めておきます。ここまで徹底してこそプロの成せる技だと思います。カッターでちょんちょんとネタを取り、穴埋めします。
埋め終わるとこのようになります。ビスが表しになってるより見た目が断然綺麗に見えます。
そして、張った外壁と見切り材の隙間、見切りと既存外壁の隙間をコーキング処理するので、壁が汚れないようにと真っ直ぐなラインを出す為にテープを貼ります。空きが同じ幅になるようにします。
貼り終わりがこんな感じになり、このテープとテープの間にコーキングを打っていきます。細かな作業ですが、こうしたぱっと見、目に付かないようなとこまで力を入れてこそ良い工事だと言えます。
この写真はコーキング専用のプライマーなんですが、プライマーとは壁とコーキング材の接着を高める為に塗る物になりますので、プライマーを塗布するのとしないのでは、将来的に持ちが変わってきます。
刷毛を使い撫でるように塗っていきます。
プライマーが塗り終わったら、コーキングを充填していきます。外壁材とコーキングの色を合わせてあるので見た目も良い仕上がりになります。隙間を埋める為にコーキングを打つんですが、隙間と言っても1㎜、2㎜あるかないかの本当に小さな隙間です。防水処理しておけば施主様も安心できると思うので丁寧な仕事をします。
コーキングが打ち終わったら、ヘラで押さえ付けるように真っ直ぐ平らに均していきます。
綺麗に均しが終わったら、テープをぐるぐる巻いて剥がしていきます。
アップで見るとこのような感じです。同じ幅で真っ直ぐで綺麗なラインが出ました。色もピッタリ同系色でとても良い感じです。
最後に穴埋めしたビスの頭をタッチアップして、壁と一体化させます。同じ色の塗料を塗る事で引き締まり、見栄えが良くなるんです。
どこがビスだか分かりますか?全く見えないですよね?タッチアップ一つとってもするのとしないのでは大違いです。たった外壁一枚をカバーするのにここまで手間暇かけてやっています。
室外機を元に戻して工事完了になります。既存外壁と色は違えど、同じスタッコ調で上手く収まり、施主様にも喜んでいただけました。綺麗になって良かったです。
工事のきっかけ
他社さんで施工ミスがあり、どのような施工方法で直せば良いか分からず、一部のカバー工法を提案してご依頼いただく事になりました。