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台風で被害を受けたので、火災保険を使って出来るだけ安く予算以内に収めたかった。
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TELしてすぐ対応してもらい、 現調も営業担当と屋根工事担当の2人で見てもらい、見積りもこちらの希望を聞いてもらえました。
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台風24号の影響によりアスファルトシングル屋根の一部が破損し、捲れ、飛んでしまったとの事。
火災保険対応で一度、地元の業者に見積り依頼をしたが値段が高く、施工内容もいまいち良く分からないとのご相談を受け、お見積り作成の為に現場調査へと向かいました。
着く寸前の道中で、養生してあるアスファルトシングル屋根が目に入りました。二連梯子に脚立、ブルーシートを念の為持っていきましたが、まさかのまさか。ご主人さんがご自分で養生したそうです。矩勾配(かねこうばい)ですよ?プロの屋根やさんですか!と、思わず突っ込んでしまいました。お洒落なログハウスで、外回りもご自分で塗装したとかしてないとか…..何でも自分でやっちゃう凄い人なんですが、危ないので皆さんは止めて下さいね。ちなみに矩勾配とは90度の勾配の事で、矩は直線、直角という意味です。つまり、めちゃくちゃ急勾配という事です。経験の長いプロの屋根やさんでも足場がないとちょっと怖いレベルですよ。本当に凄いご主人さんです。
そんなこんなでプロの私達が屋根に上がり調査していると、屋根材がもっこり膨れ上がってる箇所がありました。築25年経ってるそうで台風の影響もあると思いますが年数的な傷みや劣化も見られました。台風被害を受けたところは完全に剥がれて隣の畑に落ちてしまったそうです。剥がれ落ちたアスファルトシングルを見てみると、やや釘を打ってある位置がおかしいと思い粘着力も失っていたのでご主人さんに聞いてみると、ログハウスやアスファルトシングルなどの施工をした経験が無い大工さんが建てたらしく納得しました。
トップライトのとこから家の内側に雨染みが出来てしまってるそうで調べてみると、屋根材が剥がれ落ちた部分から雨水が侵入し、中をつたって通ってきたみたいです。位置が一致したのですぐに原因が分かりました。(※トップライトとは天窓の事です)
トップライトのメリットとして、陽が差し込み家の中が明るくなったり、お部屋の換気効率が上がったり等ありますが、デメリットとしては今回のような雨漏りが心配な事です。トップライトを付けてるお家で雨漏りで悩んでる方は非常に多いです。何か起こる前に定期的にメンテナンスする事をオススメします。
切妻屋根でトップライト側が東面。西面にはドーマーがありました。ドーマーとは屋根から突き出した小さな三角屋根や片流れ屋根や窓の事を言います。ちなみに英語のdormerで和訳すると屋根窓という意味です。ドーマーもトップライトと似たようなメリット、デメリットがあるので定期的なメンテナンスをお願いします。
お家全体をぐるっと一周見終わり真剣に調査していたら一時間経っていました。色々考えご主人さんに相談した結果、既存屋根の上に新しい屋根材を被せるカバー工法と、既存屋根を撤去し新しい屋根材を葺く、葺き替えの2パターンで作り、種類もアスファルトシングルとガルバリウム鋼板で選べるようにお見積り作成する事にしました。しっかり現場調査し、お客様の立場になって考え、金額はもちろんですが、安かろう悪かろうじゃ意味ないので出来るだけ安く、なおかつ良い工事をご提供します。
その後、カバー工法ではなく葺き替え工事をする事に決まりました。当社もありがたい事に、中々忙しくさせてもらってまして、ご契約いただいてから少し期間が空いてしまったのですが、ご近所の挨拶回りを終え無事、着工日を迎える事ができました。
着工日はまず仮設足場組みから始まります。屋根が矩勾配(90度)で、このままでは屋根に上れないので屋根にも足場を組みます。これを屋根足場と言います。
近くには同じ敷地のお家しかなく、ご近所さんと少し離れてるので外周に張る養生の為のメッシュシートは今回使用しませんでした。当社の看板シートは堂々と張らせていただきましたが(笑)
足場が組み上がったら、次の日から屋根材の撤去に入ります。その前に材料や道具を上げ下げする為のハシゴを掛けます。人によってはタワーと呼んだりもします。
撤去ですが、まずは棟板金から行います。釘とジョイントのコーキングを外し、下地の貫板も撤去していきます。
その後、一気に皆で既存のアスファルトシングルを剥がしていきます。矩勾配に限った話ではないですが、勾配がキツイ屋根に上って作業するのは本当に危険が付きまとうので、安全には十分注意して作業します。体が資本なので怪我だけはしたくありません。
上から徐々に徐々に剥がしていき、撤去が終わるとこのようにルーフィングだけの状態になります。このまま次の日を迎えて、もし雨が降ったりしたら雨漏りする可能性があるので、撤去初日は普段より多めの人数で行き、下葺きまで終わらせます。
トップライト廻りの施工です。トップライトとは屋根に付いている天窓の事を言います。トップライト廻りの板金も撤去しなくてはならないのでビスで木下地に固定されてる窓枠を一旦外します。この枠はまた使うので丁寧に外します。この現場も実際に雨染みができていましたが、トップライト廻りは非常に雨漏りの多いヶ所です。気を使って行わないと雨漏りを止めるどころか余計に悪化させてしまう危険性があるので十分に注意して作業します。
枠を外し、板金まで全て撤去し終えたらこのように既存のルーフィングだけになります。今まで留めていた釘頭の出っ張りや、凹凸を無くす為にハンマーで叩いて平らにします。
その後、下葺き作業に移ります。下葺きとは屋根材の下に張るルーフィングの事で、いわゆる防水シートになります。今回使用したのは日新工業さんから出ている改質アスファルトルーフィングのカッパ23という下葺き材です。業界ではゴムアスと呼ぶ事が多いです。冬場の気温が低い時でも、折れたり切れたりせず、このような立ち上がり部や出隅、入隅にも対応でき、とても施工性に優れています。縦、横、特にトップライト廻りはしっかり重ねをとりタッカーでバシバシ留めていきます。
トップライトの立ち上がり部にも、しっかり被さるように下葺きし、トップライト天端にはテープを貼りルーフィングが剥がれないようにしてあります。出隅の折り目部分にも、粘着力の強いテープを貼り強度を増しておきます。屋根全体の下葺きが終わるとこんな感じになります。
下葺き後は横暖ルーフαsブラウンでの唐草、ケラバ板金の取り付けです。ケラバとは屋根側面の雨樋が付いていない部分を指し、逆に雨樋が付いている部分を軒先と言います。唐草は軒先の事だと思って下さい。ケラバ板金は変則的なコの字形をしていて唐草は変則的なL字形をしています。破風板を巻き込むようにし、釘で留めていきます。ケラバや唐草などの屋根本体ではないヶ所をまとめて役物と呼ぶ事が多いです。役物の取り付けが終わったら本体に移ります。
こちらは、まだ梱包されてる状態ですが「横暖ルーフαs」のブラウンです。
ニチハさんから出ている金属屋根の一種で、俗に言うガルバリウム鋼板です。ガルバリウム鋼板の中にも様々な種類がありますが、横暖ルーフαsは超高耐久で裏面には断熱材が付いているので、他のガルバリウム鋼板とは一味違います。断熱性能、耐久性能抜群なうえに、超軽量なので耐震性も抜群です。塗膜15、赤錆20、穴あき25年というメーカー保証も付いているので安心の屋根材となってます。
軒先から大棟に向かって取り付けていくんですが、ジョイント部の継ぎ目の芯材には硬質ウレタンフォームが使われているので、上下左右共に隙間ができにくく、表面の熱を室内に届きづらくしてあります。端の切り物は寸法を測り、㎜単位でカットし隙間が空かないように丁寧に行います。一枚一枚を抱き合わせるように、噛み合わせるようにしビスで固定していきます。
天窓廻りはL字形の捨て谷板金をトップライトサイズにカットし、それでは立ち上がりの頭部分が長過ぎて飛び出してしまうので加工してから張っていきます。その捨て谷に引っ掛けるように横暖ルーフαsを葺き、トップライト廻りの雨漏れを防ぎます。廻りを囲ったら初めに外しておいた枠を元に戻します。
東面は終わりが見えてきました。矩勾配なので、普段よりやや時間がかかりますね。
次にドーマー廻りです。ドーマーがある方は西面になるんですが、東面よりもやや時間がかかります。そもそもログハウスなので外壁材は丸太のような木で出来ています。そのため、ドーマー側面は表面が平らではなく凸凹しているので、それなりに合わせて屋根材の端っこを加工しないと隙間ができてしまいます。その分、手間がかかるので時間もかかります。本来であればここにも雨押えなどを付けるのですが、思ったより凸凹していたため屋根材を加工し、上っ面にコーキングを打つ事にしました。ドーマー正面は、ある程度平らなので下地に貫板を打ち、雨押え板金を張りました。屋根と壁が競ってる所は通常このように施工をします。
こちらはトップライトがある東面の屋根です。平場のガルバリウム鋼板葺きは完了しました。今までのアスファルトシングルと比べて耐久性も断熱性も格段にアップしています。
西面も完了致しました。ドーマーと平場の取り合い部分はガルバリウム鋼板を勾配也に加工し自然な仕上がりになっています。残すとこ棟板金と細かなコーキング処理だけです。
ドーマー側面とガルバリウム鋼板の取り合いにはコーキングを打ち、雨水の侵入を防いでいます。雨押え板金の天端も同様です。クリアのコーキングを使っているので少し見えにくいですが。
大棟の板金下地には貫板を張ります。きっかけは台風被害から始まったので、念の為ビスをダブルで打っておきました。
そこへ棟板金を被せ、ジョイント部にはコーキングを打ち強度を増します。こういった、ちょっとした手間が後々に凄く大事になってきます。
棟板金を取り付けるとこのようになります。釘頭にもコーキングを打ち、少しでも雨の影響を与えないようにします。細かい事ですが屋根は人で言うところの頭になるので、一番重要と言っても過言ではありません。
最後にトップライト廻りにもコーキング処理をします。こちらも透明なので見にくいですが、枠廻りとパッキン廻りにコーキングを打ってあります。屋根の施工はこれで完工になるので、後はお客さんに確認してもらって足場をバラすのみになります。
その前に、最後に大きな段ボールから、小さなビスや釘一つまでしっかり掃除してゴミも持ち帰り、学校で教わった事じゃないですけど来た時よりも綺麗にして帰ります。
お客様にOKをいただき、仮設足場を解体して工事完了となります。
自分で言うのもなんですが、めちゃめちゃカッコ良い仕上がりになりました。ガルバリウム鋼板は軽くて耐久性の高い金属屋根なので、これでしばらく安心して暮らせます。工事開始2日目にはちょっとしたトラブルがあり、申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが、終わってみればお客様にも大変満足していただき、お互い気持ち良く終わる事ができました。この後はアフターメンテナンスが待ってますので、これからもまだまだ長いお付き合いになります。
ある程度は自分達でやるそうですが、10年後とか年取った時に、外壁の塗装も頼むかもしれないんで、と嬉しいお言葉ももらえました。本当に綺麗になって、安心していただいて良かったです。
工事のきっかけ
台風被害で屋根が破損。火災保険対応で他社に見積もってもらったところ高かったため依頼がきました。最初はカバー工法の希望でしたが予算が折り合ったので屋根葺き替え工事をする事になりました。